- 週間ランキング
彼らが開発したARグラス「フレーム」は、重量40g未満の一見普通のメガネです。
しかしその中には、「見たもの」を認識するためのカメラ、音声対話のためのマイクが組み込まれています。
またARレンズも搭載しており、文字や画像などの情報を自分の視界にだけ追加できます。
視力矯正のための「度付きレンズ」を選択することもできるため、どんな視力の人でもARを利用できます。
そしてフレームのシステムは、モバイルアプリ「ノア(Noa)」と連動するようになっており、常時稼働のAIアシスタントによって複数のAIモデルを活用できます。
例えば、ARグラスを通して「ある建物」を見ると、画像認識とWeb検索により、その名称や建てられた日付など、詳細が文字で表示されます。
また知らない外国語を見た時も、翻訳機能によって翻訳後の文字を表示してくれます。
自分が海外に出かけた時、また海外からの旅行者に道を説明する時など、様々な場面で役立つことでしょう。
動画のように、お酒を手に取り、「ノア、これは何?」と尋ねて、その詳細をすぐに知ることもできます。
ケーキを見て、今日はどれだけ食べていいのか教えてもらったり、砂糖がどれだけ入っているか調べたりすることも可能なようです。
さらに一目見て気に入ったスニーカーが、「どこで手に入るのか」「いくらで購入できるのか」などといった情報も瞬時に入手できるでしょう。
このような「ちょっとした情報」を調べるためには、これまでスマホを取り出して操作する必要がありました。
ARグラスのフレームを活用するなら、そんな情報をハンズフリーですぐに入手できます。
まさに、「日常生活をぐっと便利にする機能」だと言えますね。
しかもBrilliant Labs社によると、フレームは1回の充電で、1日中AR機能やアプリを利用し続けることが可能なのだとか。
現在、ARグラス「フレーム」には、黒、グレー、クリアの3色が用意されており、349ドル(約5万2000円)で予約販売されています。
そしてフレームの設計やコードはオープンソースとして公開されており、自分で改造することも可能です。
現在のスマホやスマートウォッチのように、誰もがARグラスを装着する未来は、そう遠くはないのかもしれませんね。
参考文献
Frame smart glasses put multiple AI models on tap
https://newatlas.com/wearables/brilliant-labs-frame-smart-glasses/
open-source AR glasses use AI to translate languages, detect images, search web and more
https://www.designboom.com/technology/open-source-frame-ai-glasses-ar-brilliant-labs-openai-02-09-2024/#
fully open-source frame AI glasses
https://brilliant.xyz/
ライター
大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。
編集者
海沼 賢: 以前はKAIN名義で記事投稿をしていましたが、現在はナゾロジーのディレクションを担当。大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。