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本研究では、今日のヨーロッパ、イギリス、アメリカ、オーストラリアの4つの場所に分かれた9948人を対象としています。
そしてDNA分析の結果、ヨーロッパ系を祖先とする人々の眉毛の太さに関連する遺伝子として、これまで報告されていなかった3つの遺伝子「SOX11」「MRPS22」「SLC39A12」が新たに発見されました。
また、非ヨーロッパ人(ラテンアメリカと中国系の人々)に見つかっていた2つの遺伝子「SOX2」「FOXD1」も確認できたとのことです。
その一方で、非ヨーロッパ人で報告されていた別の2つの遺伝子「EDAR」「FOXL2」は、ヨーロッパ系の人々には見つかりませんでした。
以上の結果を受けて、研究主任で分子生物学者マンフレート・カイザー(Manfred Kayser)氏はこう話しています。
「今回の研究では、既知の遺伝子を4種類から7種類に増やすことで、ヒトの眉毛に関する遺伝的知識を大幅に改善し、将来の研究のための新しいターゲットを提供するものです。
また本研究の成果から、眉毛のバリエーションは、さまざまな人種に広く共通して見られる遺伝的要因(SOX2・FOXD1)と、集団ごとに異なる遺伝的要因(EDAR・FOXL2)の両方によって決定されることが示されました」
つまり、あらゆる人種の眉毛を形作るのに共通して使われる遺伝子もあれば、特定の人種の眉毛にしか使われない遺伝子もあるということです。
しかし、眉毛の遺伝子研究はまだまだ始まったばかりであり、こうした遺伝子が眉毛のどんな機能に寄与しているかは分かりません。
今後、他のさまざまな人種を含めてDNA研究を進めることで、人種や住む地域ごとに有利な眉毛の太さや薄さなどが明らかにできるかもしれません。
参考文献
Scientists May Have Figured Out Why Your Eyebrows Look Like That https://www.sciencealert.com/scientists-may-have-figured-out-why-your-eyebrows-look-like-that New study uncovers genes that define the appearance of eyebrows https://medicalxpress.com/news/2023-06-uncovers-genes-eyebrows.html元論文
Genome-wide association studies identify DNA variants influencing eyebrow thickness variation in Europeans and across continental populations https://www.jidonline.org/article/S0022-202X(23)01947-4/fulltext