【獣医師監修】犬にしらすはOK!食べてもいい量と与えるときの注意点!【2022年版】
犬にしらすを与えても問題ない?
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しらすはさまざまな魚の稚魚を総称したものですが、基本的にはイワシの稚魚がほとんどです。捕獲したての新鮮なものであれば生のまま食すこともできます。店頭に販売されているものは釜揚げしらすと呼ばれる茹で上げたものか、乾燥させたしらすがほとんどでしょう。
小さくて食べやすいサイズなので、愛犬にも食べさせてあげたいと思うことがあるかもしれません。しらすは犬が食べても大丈夫な食べ物です。釜揚げされたしらすであれば水分を含んでしっとりしているので、犬にとっても食べやすい食品です。ドッグフードにトッピングしてもいいですし、おやつとして与えることもできるでしょう。
ただし、店頭で販売されるしらすのほとんどは加工されたもので、塩分を多く含んでいるので注意が必要です。塩分を犬が過剰摂取すると腎臓や心臓に負担をかけてしまいかねないからです。
犬にしらすを与える時は塩分が入っていないものか、もしくは犬用に作られたしらすも販売されているので、そうしたものを与えるようにしましょう。
犬にしらすを与えてもいい量
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犬は基本的にドッグフードだけで必要とする栄養素をすべてまかなうことができるので、栄養を摂らせることを目的として大量に与える必要はありません。犬の食欲が落ちているときにドッグフードにしらすをトッピングしてあげるとか、あるいは愛犬のごほうびにおやつとして与える程度で十分です。
愛犬に副食を与える時は、1日の食事量の10%程度を目安にしてください。愛犬に与える食事量に合わせてしらすも与えるようにしましょう。では、犬の体重ごとにどれくらいのしらすを与えることができるのか取り上げます。
超小型犬の場合
超小型犬とは体重が1~4kg未満の犬を指します。代表的な犬種としてチワワやトイプードル、マルチーズ、ポメラニアン、ボロニーズ、豆柴などです。
超小型犬の1日の食事量は体重ごとに100~200gの間で調整します。10%の10~20g程度のしらすを与えることができます。
小型犬の場合
体重が10kg以下の犬が小型犬に含まれます。例えばシーズーや柴犬、パグ、ミニチュアダックスフンド、ペキニーズ、狆といった犬種です。
体重5~10kgの小型犬の1日の食事量は300~500g程度なので、10%で約30~50gが目安量となります。
中型犬の場合
中型犬は体重が25kg以下の犬のことです。日本スピッツやビーグル、パセンジー、バセットハウンドやブルドッグ、ボーダーコリーといった犬種が含まれます。
中型犬(体重10~25kg)の食事量は500~1000g程度なので、その10%の50~100gの間が与えていい適正量となるでしょう。
大型犬の場合
大型犬は、レトリーバーやグレートデン、シベリアンハスキーやダルメシアン、サモエド、セントバーナード、ボクサーといった体重25kg以上の犬種のことです。
大型犬は体重が25~40kg程度で食事量は1000~1450gなので、100~140g程度が与えてもいい量となります。
子犬の場合は注意が必要
しらすは小さく食べやすいので、子犬にも与えることができるでしょう。ただし、子犬は消化器官がまだきちんと発達していない状態なので、消化不良を起こさない程度にごく少量だけ与えるようにします。塩分が含まれていないしらすを食べやすくして与えるなど、子犬の場合は特に注意しながら与えてください。
犬にしらすを与えることで期待できる効果
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生のしらすにはたくさんの栄養となる成分が含まれています。その中でも特に多いのはナトリウムやカリウムです。ナトリウムやカリウムには細胞を正常に保たせたり、血圧のバランスを調整したりするなどの働きがあります。過剰摂取はよくありませんが、適量を守って摂り入れれば良い効果を期待できるでしょう。
また、しらすにはリンという成分も多く含まれています。リンは歯や骨を丈夫にしたり、神経や筋肉の働きを良くしたりする効果があります。
犬にしらすを与えるときの注意点
犬にしらすを与える時はとにかく塩分に注意してください。無塩のものか犬用のしらすを与えると良いでしょう。また、しらすも含め特定の食材にアレルギー反応を示す犬もいます。しらすを初めて与える時は少しだけ与えてアレルギー症状が出ないか様子を見るようにしてください。
もし、しらすを食べた後で赤みやかゆみが出るとか下痢や嘔吐などの症状など体調に異変が見られるときは、すぐに動物病院に連れていくようになさってください。
しらす干しやちりめんじゃこは与えても問題ない?
しらすを乾燥させたものを「しらす干し」といい、さらに乾燥させたものを「ちりめんじゃこ」と呼びますが、基本的にすべて同じイワシの稚魚です。釜揚げしてから乾燥させるまでの時間の違いで呼び名が異なっているだけです。
しらす干しもちりめんじゃこに関しても、やはり犬に与える時の基準として覚えておくべきなのは「塩分量」でしょう。人間用に販売されたものは比較的塩分が高いので、犬の体に負担をかけてしまう可能性が高いです。犬用に乾燥させたしらすであれば安心して与えることができます。