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・前足:指球(しきゅう):前足の指の根元に存在する、小さ目な5つの肉球。
・後ろ足:趾球(しきゅう):後ろ足の指の根元に存在する、小さ目な5つの肉球。
■足の裏中央の一番大きな肉球
・前足:掌球(しょうきゅう):文字通り手の平に存在している肉球。
・後ろ足:足底球(そくていきゅう):後ろ足の中央にある一番大きな肉球。
■前足のみにある肉球
・手根球(しゅこんきゅう):
他の4つの指球とは離れている場所にあり、手根球の下には「豆状骨(とうじょうこつ)」と呼ばれる小さな骨があるため、それを守っているのではないかと考えられている。
また、この付近には口元のヒゲのような「洞毛(どうもう)」と言われる感覚器官としての役割を持つ毛が3~4本生えている。
ちなみにこの洞毛と呼ばれるヒゲは特に触覚に敏感で、前足で獲物を捕らえて掴む肉食動物に生えている。獲物を捕獲した後、獲物の微妙な動きを察知する役割や、障害物を避けるなどの働きがあるのではないかと考えられている。
・狼爪(ろうそう):前足のみに存在する肉球。猫は前足の方が指が1本多いため、それに伴い肉球も1つ多い。人間で言うと親指に相当する指で、基本的に後ろ足にはない前足だけに存在している肉球。
猫の肉球は、上記でも触れているように指のある場所に肉球が存在しています。つまり猫の後ろ足には親指がないので、前足の指は計10本、後ろ足の指は計8本、合計18本というわけです。
しかしカナダの東部やアメリカの北東部には、ポリダクティル・キャット(Polydactyl Cat)と呼ばれる、通常よりも指の数が多い猫が存在していることで知られています。
つまり通常猫は全部で18本のところ、ポリダクティル・キャットは前足が6本、後ろ足5本の合計22本の指がついているのです。実際ギネスブックに記録されているカナダのジェイクという名前の猫は、1本の足に7本ずつ、合計28本の指を持っていたと記録されています。
指の数が通常の猫よりも多いポリダクティル・キャットは手先が器用な個体が多いため、昔の船乗りたちは船の中でネズミをつかまえる船猫として、多指猫を好んで迎え入れたという諸説が言い伝えられています。
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肉球は猫が生活する上で大切な役割を果たしています。どんな働きをしているのでしょうか?
猫は肉食動物で、狩りをするという本能を備えています。狩りをする際には、獲物に気配を気づかれないように接近する必要があります。そのため肉球には足音を消す働きがあり、猫が獲物を確保するうえで欠かすことができない役割を果たしています。
猫には爪があるので音がしそうですが、爪は自由自在に出し入れできるため、歩くときは爪を引っ込めて、肉球を膨らませて歩くことで無音で移動することができます。
運動能力がかなり高い猫は、普段から自分の何倍もある高さの場所へ登ったり、飛び降りたりすることを好みます。その際着地をするときに肉球が衝撃を吸収することで、身体へのダメージやケガのリスクを軽減しています
猫は高い場所だけでなく、足場が非常に悪いところや狭い場所などを移動することもあります。足元が安定しない場所を通る際には、肉球に汗をかいて湿らせることで滑り止めの役割を果たします。
特に室内飼いの猫の場合、よく滑るフローリング材でも滑り止めの役割がある肉球のおかげで、走っても滑って足を傷める危険がありません。
猫は自分の眼や耳周辺など、顔まわりは舐めてグルーミングすることができません。そのため肉球を舐めて湿らせ、ブラシ代わりにしてお顔のお手入れをします。
猫は肉球を使って物を掴んだりしがみついたりします。物を掴む際には、肉球を程よく湿らせることでさまざまなものをキャッチすることができます。
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肉球は、いつも床や地面に密接に触れている大事な部位です。それに加え、上記でもみたように肉球には大事な役割がいくつもあります。
衝撃を吸収するクッション材のような機能を備えているので、猫の肉球はいつも丈夫という印象があるかもしれません。しかし肉球は不調を引き起こすことがあります。
もし愛猫の肉球の不調に気づかないと、肉球は役割を果たすことができないので機能が半減し、ケガをするリスクも高めます。では、肉球にどんな変化が生じたら注意すべきなのでしょうか?
ケガが原因で肉球の表面がめくれていたり、出血や腫れで肉球が赤く変色したりすることがあります。特に外出することが多い家猫の場合、他の猫とのケンカや地面に落ちているガラスなどが肉球のケガの原因になるケースがあります。さらに屋外問わず着地した際に肉球ダメージを与えるものがあると、出血などケガの原因となります。
肉球は皮膚炎が重症化すると治りにくい部位です。外出した愛猫が自宅に帰ってきたら、ケガをしていないか、肉球の裏をいつも確認するクセをつけるようにしましょう。
いつも薄いピンク色をしている肉球の場合は気づきにくいかもしれませんが、いつもは濃い色の肉球なのに薄い色になっているなら注意が必要です。血の巡りが悪くなっていることが考えられるので、貧血を起こしている可能性があります。
肉球の色の薄さだけで判断することが難しい場合は、鼻や舌などほかの部分にも白い部分がないかどうか確認してみましょう。
また、他の病気の合併症にもなっている貧血の場合は、体重の変化や下痢などの症状もあらわれますので、いつもと様子が違うと感じるなら動物病院を受診されることをおすすめします。