はじめに

室内で犬を飼っている方の中には、愛犬に遊び場のスペースや居住スペースを作ってあげたいと思っている飼い主さんもいることでしょう。そんな時おすすめなのが犬用のケージやサークルです。さまざまな大きさがあるので、愛犬に合ったものを選んであげるなら、快適で落ち着ける環境を作ってあげることができるでしょう。

自分の愛犬にあったケージの大きさはどのくらいなのか知りたいですよね。そこで今回は、犬にとってのケージの役割について、また小型犬、中型犬、大型犬それぞれにあったケージの大きさについてご紹介したいと思います。

犬にとってのケージの役割

Parilov/shutterstock.com

犬にとってケージやサークルは、犬の「ハウス」としてとても重要です。犬のハウスは犬にとってのテリトリーであり、落ち着ける空間になります。犬のケージには他にどのような利点があるのでしょうか。

1.犬にとってリラックスできる場所

「狭いところでじっとしていることは犬にストレスになってしまうのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、実は家の中の狭い場所は犬にとって安心できる場所でもあります。それは、背中から襲ってくるものがいないという動物の本能と言えるでしょう。

もともと縄張り意識が強く、また洞窟など薄暗くて狭い場所を巣にしてきたオオカミの血を引いているため、本能的にそういう場所が安心できると感じるのでしょう。犬にとってハウスは、いざというときに身を隠して、危険を避けることができる場所となるのです。ですから愛犬が室内でリラックスできるようにケージやサークルを用意してあげると良いかもしれません。

2.しつけが楽になる

室内飼いの犬のしつけをするためにも、ケージは役立ちます。ケージ内を犬は「落ち着けるハウス」と認識します。ハウスは時として安息の場所です。同時に、まだまだ遊びたい犬からすると窮屈な場所となることもあります。これを利用してしつけを行なうことができるでしょう。

遊びたい犬にとっての罰は「ケージに入れて自由に遊べないようにすること」とすることができるかもしれません。例えば、イタズラをしたときにはケージに入れることで、その行動が悪いことであると覚えさせることができます。ただ注意したい点として、無理矢理ケージに入れたり、ケージ内が安心できる場所だという認識がまだできていない場合、ケージ自体を「嫌いなもの」と覚えてしまうことになってしまうので気をつけるようにしましょう。

また、トイレトレーニングにもケージを用いることは非常に有効な方法と言えます。飼い主さんと愛犬が良好な主従関係を築いていくためにも、ケージを活用することができるでしょう。

3.居住空間を分ける

さらに、ケージやサークルを用いることによって、飼い主さんと愛犬の居住空間を分けることができるでしょう。これは、良好な主従関係を築くために非常に重要です。

ケージがあると、毅然とした態度でしつけをするのに役立ちます。犬と飼い主の居住空間を分けることによって、「人間が上」ということを愛犬に理解させることができるでしょう。

また、居住空間を分けることによって、犬自身や他のペット、子どもを守ることにも繋がります。小さな子どもや他の動物が同居している場合、思わぬ事故やケガに繋がることも考えられるでしょう。

子ともや他のペットとの居場所を分け、お互い干渉のない空間と時間を作ることによって、犬にとっても他のペットにとってもリラックスできる環境を整えてあげることができます。さらに、愛犬にとって危険となる食品や植物、家具などを遠ざけることもできるので、ケージを使用することは安全性を高めることに繋がると言えるでしょう。

犬のケージは大きさが大切

WilleeCole Photography/shutterstock.com

愛犬のケージを選ぶ時には、大きさは考慮すべき重要な点です。ではケージ選びで大きさを見るとき、どのようなポイントを考慮すべきでしょうか。

1.Uターンができる・伏せができる大きさ

まず、ケージの中に何を置くかを考えましょう。基本的にはトイレと寝る場所を確保します。寝る場所に犬用ベッドを置くか置かないかによってケージの大きさも多少違いがでてくるかもしれませんが、寝る場所とトイレの場所は確保できる大きさが必要となるでしょう。

そのため、愛犬がケージ内でUターンを楽にすることができ、なおかつ寝る際に伏せの姿勢が余裕でできるくらいのサイズが必要となります。もし、トイレの隣に犬用ベッドを置く場合には、トイレを失敗してしまったときのことも考えて、少しトイレからベッドを離して置くことができるくらいの広さを確保できると良いでしょう。

2.体長の約3倍の横幅

前述のように、ケージを選ぶ際ある程度の広さは必要ですが、広すぎてしまうと逆に犬の警戒心が働き、ストレスが溜まってしまいます。反対にケージが狭すぎると窮屈に感じてしまい、それはそれでストレスが溜まってしまうかもしれません。

「絶対にこの大きさ」という規定のサイズはありませんが、一般的に愛犬の体長の3倍ほどの横幅があると良いとされています。また、ケージの高さは犬が脱走しないように二本足で立った際にケージから飛び出さない高さが必要でしょう。

3.子犬の成長に合った大きさ

子犬を迎える場合、ケージは成長した後のことも考えて購入するようにしましょう。おすすめなのは、トイレと居住スペースが分かれたもので犬の成長によって伸縮調整できるタイプのものです。最初から成犬に合わせたケージを用意してしまうと、子犬にとって落ち着かない場所になってしまう可能性があります。ですから、子犬の成長に合わせてスペースを拡張したり収縮したりと調整できるタイプのケージがおすすめです。

または、成長したサイズに合わせたものを購入し、その中に小屋のような狭い場所を作るという方法とっている飼い主さんもおられるようです。

小型犬・中型犬・大型犬に合った最適なケージの大きさ

ANURAK PONGPATIMET/shutterstock.com

ケージの選び方を簡単に理解したところで、小型犬・中型犬・大型犬それぞれに合った最適なケージの大きさを具体的に見ていきましょう。ここでは基本的に横幅何㎝がちょうど良いのかそれぞれのサイズごとにご紹介していきますね。

1.小型犬:横幅が100㎝~130㎝

小型犬の体長は約30㎝~50㎝ほどです。そのため体長の3倍ほどを考慮して選ぶと、ケージの横幅は100㎝~130㎝ほどがちょうど良いと考えられるでしょう。

あまりにも広すぎても犬にとってそわそわして落ち着けない空間になってしまいます。愛犬の大きさを見てトイレを置いた状態で、空きスペースでUターンできるかどうかを確認した上で、奥行きを考慮しましょう。

2.中型犬:横幅が150㎝~170㎝

中型犬の体長はさまざまですが、一般的には50㎝~60㎝程度の犬種が多いです。体長がこの程度の犬であるなら、ケージの横幅は150㎝~170㎝ほどあれば良いでしょう。もしそれ以上の体長を持つ犬であれば、もう少し大きいサイズを考慮してみることをおすすめします。

当たり前ですが、体長があればあるほど奥行きも必要となってきます。ですからこちらも先程と同じようにUターンができ、楽に伏せができるほどの広さを用意してあげるようにしましょう。

また、ケージの高さも小型犬のケージと比べると少し高さがある物を選ぶ必要があるでしょう。愛犬が立った状態の1.5倍の高さがあるケージを選ぶと良いかもしれません。

3.大型犬:横幅が200㎝~240㎝

大型犬は小型犬、中型犬と比べて非常に体が大きいため、その分大きなケージが必要となります。最低でも200㎝~240㎝の横幅のあるケージを用意する必要があると思っておきましょう。

しかし、体が大きいからと言って「ケージも大きければ良い」ということではありません。他の犬と同じように、ケージが大きすぎると落ち着かず、しっかりと休息を取ることができないというデメリットが生じます。

大型犬の場合はケージだけでなく、サークルをケージ代わりに使うというのもおすすめです。どちらにしても高さがあり、大型犬が寄りかかっても倒れたり壊れたりしないような丈夫な造りのものを選ぶようにしましょう。


情報提供元: mofmo
記事名:「 ケージを選ぶときのポイントとは?犬の大きさに合ったケージの選び方を紹介!