- 週間ランキング
この成分があのニンニク特有の匂いの原因となっているものです。がん細胞の増殖を抑え、正常な細胞に戻してがん細胞を消滅させる働きがあるので、ガン治療に効果があるとして注目を集めているようです。
・「ジアリルジスルフィド」
先ほどの成分の名前と似ていますね。この成分もニンニクの匂いを有しているものです。肝臓の解毒作用を強めたり、神経細胞を酸化ストレスから保護したり、活性酸素を除去しガン細胞ができないような環境を作り出すことで知られています。
・「ジーサック」
滋養強壮にいいとされる成分(アリイン、アリシン)などの基盤となっている成分です。ニンニクが土壌の中のイオウを吸い上げて作り上げるペプチドという構造で、ニンニクの細胞内に溶け込み匂いの成分の基となっています。ニンニクを傷つけてしまう害虫やカビに抵抗します。
・「アリシン」
ニンニクを傷つけると、匂いが生じる仕組みになっていますが、この匂いはアリシンという殺菌成分です。動物が嫌いな匂いなので、これによって身を守っていると言われています。抗ガン作用、血栓防止作用、スタミナ増強作用、解毒作用などの多くの良い効果があります。
・「アリイン」
アリシンの元の成分です。ニンニクを無傷のまま加熱するとこのアリインが匂いの元のアリシンになることはないので、臭わせることなく食べることができます。アリインを食べることで、体が温まる、元気になる、スタミナがつくといった効果が期待できます。
・「アリチアミン」
アリシンとビタミンB1が結びついて形成される成分です。エネルギーを発生させる過程に欠かせないビタミンB1は水に溶けやすいのでなにかと失われやすいですが、アリチアミンと結びつくことでビタミンB1が体内に吸収されやすくなります。
・「メチルアリルトリスルフィド」
血小板の固まりを抑える働きがあり、脳卒中や心筋梗塞、動脈硬化を予防するという効果が期待できます。
聞き慣れない名前がたくさん出てきましたが、ニンニクは人間にとって体にいい野菜ということが分かります。では、なぜニンニクはネコちゃんにとって絶対NGな食材なのでしょうか?次にその点を考えていきましょう。
bellena/shutterstock.com
ニンニクを与えてはいけない理由の一つとして、ニンニクには「アリルプロピルジスルファイド」という成分が含まれていることがあげられます。
この成分は赤血球のヘモグロビンを破壊してしまいます。赤血球が破壊されてしまうと貧血が起こりますが、貧血はネコちゃんにとって命に関わる問題が起きる場合があります。
アリルプロピルジスルファイドは、たとえ加熱したとしても変化しませんので、「火を通したから大丈夫」と思ってはいけません。「ニンニクは絶対にあげない」と覚えておいてください。少し口にしただけでもアレルギー反応を示す子もいますので、気をつけてください。
仮に間違って口にしてしまった場合にはしばらく様子を見ましょう。アレルギー症状としては、下痢や嘔吐、皮膚のかゆみ、元気がなくなる、目が充血するなどがあげられます。
症状の出方には個体差があって、すぐにこのような症状が現れる子と少し時間がたってから症状が現れる場合に分かれます。食べた後に特に症状がなくても注意して見てあげてください。アレルギー症状が出てしまったらすぐに動物病院に連れて行ってあげてください。その際には、いつ、どの程度のニンニクを食べたのかきちんと説明出来るようにしておきましょう。
ニンニクをどのくらい食べてしまったら、致死量となってしまうのでしょうか?個体差があるので、同じ量を食べてしまってもネコちゃんによっては影響の出ない場合もあります。しかし、通常はネコちゃんの体重1キロあたりニンニク5グラム以上で何かしらの影響が出るとされています。
そして1キロあたりニンニク15グラムを超えてしまうと致死量となってしまいますので特に注意が必要です。これはあくまでも目安ですので、子猫や老齢のネコちゃんの場合はもっと低い数字の割合といえます。
このようにニンニクは人間にはよくても、ネコちゃんに与えてはいけない物だと分かりましたね。では、猫ちゃんが間違って食べてしまった時に出る症状をもう少し詳しく見ていきましょう。
以下のような症状が発生しえます。
・「貧血」
先ほども少し触れましたが、ニンニクに含まれているアリルプロピルジスルファイドが赤血球を破壊し貧血を起こします。貧血になると体に酸素が行き渡らずに元気が無くなっていきます。食欲不振、呼吸困難になることもありますし、子猫や高齢のネコ ちゃんの場合にはすぐにこうした症状が出る危険がありますので注意が必要です。
・「血尿」
赤血球が破壊されることで、尿の中に血が混じってしまいネコちゃんのおしっこが赤くなってしまうことがあります。少量でも口にしてしまった場合にはネコちゃんのおしっこもチェックしてあげてください。色がいつもより濃い、色がおかしいなど、気になる事があればすぐに動物病院へ受診することをオススメします。
・「皮膚の炎症」
アレルギーの症状が皮膚に現れることがあります。ネコちゃんがいつもより体を痒がっていないか、発疹などないかしっかりと確認してあげてください。
・「胃腸障害」
アレルギー症状は他にも、ネコちゃんに下痢や嘔吐などの胃腸障害を引き起こします。いつもより便がやわらかくないか、嘔吐しているような様子はないか観察する必要があるでしょう。
この他にも、いつもより様子がおかしい点があれば、様子を見つつも早めに動物病院に行き適切な処置をしてもらいましょう。
では、ネコちゃんがニンニクを食べてしまった時に飼い主さんができる対処方法も考えていきたいと思います。