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<アニメ「異世界食堂2」(テレビ東京系)> 扉を開けると――そこは『幸せな』異世界だった。
普段はどこにでもある普通の食堂だが、7日に一度「特別営業」の土曜日だけ異世界とつながり、「異世界食堂」と呼ばれるようになった不思議な洋食屋「洋食のねこや」が舞台。そこで出される料理を軸に、訪れる異世界の客たちとの交流を描く群像劇になっている。
2017年7月に第1期全12話が放送され、21年10月から待望の「2」がスタートしている。
「ねこや」の面々は、店主(声優・諏訪部順一)と給仕・魔族の少女アレッタ(声優・上坂すみれ)、と、黒竜の化身クロ(声優・大西沙織)。ほかに個性豊かな常連客たちも。
11月13日未明(12日深夜枠、2021年)の放送回は「お好み焼き」「宇治金時」の2本立て。洋食屋なのに「お好み焼き」? という疑問はさておき、ストーリーはというと......。
「お好み焼き」では、互いの国が敵対関係にある山国の侍ソウエモンと海国のドウシュン。反目し合う仲だが、なぜかいつも同じ時間に来店。入ってくるなり、小競り合いが始まる2人だが、相席で向かい合わせに座る。
そして、オーダー。ソウエモンが「お好み焼きの豚玉を頼むでござる。ソースたっぷりで!」と言えば、ドウシュンも「私にもお好み焼きを。シーフード、かつおぶし多めで」と。2人とも同じお好み焼きを注文するところがツボ。
で、「相変わらずシーフードでござるか。海国なら食いあきたでござろうに」「そちらこそ。獣の肉など山国ではめずらしくもないでしょうに」と互いのチョイスにケチをつける。
一触即発の2人にアレッタはドキドキだが、「同じテーブルで飯が食えるってことはなんだかんだ認め合える仲なんだろう。ふたりを見てれば、分かるさ」と店主。
そして、テーブルにお好み焼きが現れると、「このジュウジュウと唸る鉄板!食欲を掻き立てるソースの香り」「木のくずのような見た目からは想像が出来ないほどの膿の香りをまとった優雅に揺れるかつおぶしなるもの」とはふはふ。
「口の中いっぱいに広がるソースとかつおぶしの香り!生地の表面はカリッと香ばしく、中はふんわりと柔らかい」「うっすらとかけられた海藻の粉とカンナで削った木の屑のようなかつおぶし。あまじょっぱいソースとまろやかな酸味を持ったマヨネーズの味。刻まれた玉菜の甘みと肉の旨みが一度に襲い来る」と。1枚では物足りず、2枚目を注文。今度はお互いに相手が食べていたものを注文し、分かり合うというオチ。
鉄板で供される「お好み焼き」のジュ―ッという音、揺れるかつおぶし、画面からソースの匂いが漂ってくるから堪らない。テレ東は「孤独のグルメ」に代表されるように、深夜の「飯テロ」ドラマを次々と送り出しているが、アニメでも「飯テロ」とは! 深夜にお好み焼きが食べたくなった。食欲の秋。馬肥ゆる秋にぴったりなアニメだ。
「宇治金時」の方は、かき氷を食べて舌にシロップの赤がついたアレッタと青がついたクロが見せ合いっこするのと、2人とも頭がキーンとするところが可愛かった。
(子守熊)