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「先月(2021年10月)31日、京王線の中で乗客が切り付けられ、17人が重軽傷を負った事件。乗客が撮影した事件発生当時の動画が当時の緊迫した状況をお伝えしましたが、これに関して、SNSを中心にあるデマが流れています」と森圭介アナ。11月16日の「スッキリ」は「京王線事件はやらせ」というデマについて伝えた。
動画は、隣の車両で燃え上がる炎を後ろに、慌てて逃げてくる惑う人びとや、窓からホームに逃れる人びとの姿を撮影したもの。
これにつて、SNSには「エキストラがカメラを意識しているし、カメラもブレていない」「女性たちが全員ズボン」「設定だからスカートは履けない」などという声が上がり、「プロのカメラマンが撮影し、エキストラが乗客を演じている」「クライシスアクター(俳優)が映像にうつっている」というデマが広がっているという。
その背景にあるのが「陰謀説」だ。当日は衆議院選挙の投票日で、投票が締め切られる午後8時ごろに事件が発生したため、「不正選挙を隠ぺいするためだ」という論理らしい。
東京・日野市の池田利恵市議も、自身のSNSで映像の信ぴょう性に疑問を抱くような内容を投稿。「スッキリ」の調べでは、池田市議のこの投稿に400人以上が反応し、40人がネット上で拡散した。「スッキリ」は池田市議に投稿した理由について取材を申し込んでいるが今のところ回答はないという。
司会の加藤浩次は「はっきり言わせていただきますけど、無茶苦茶なこと言ってますよ。ありえないことですから。本当にあった事件を作り物だって言うなんて、考えられない」と怒りをあらわにした。
なぜこうしたデマ、陰謀論が生まれるのか。情報倫理に詳しい近畿大学の鞆大輔氏によると、最初に面白半分で発言する人がいて、その人物に近い人が「この人が言うのなら真実なのではないか」と尾ひれを付けて拡散させてしまう。背景には、社会への怒りや不安があることも多いそうだ。また、ブログやYou Tubeなどで広告収入を目的に意図的にデマを拡散するパターンもあるという。
加藤「距離が近い人の言葉でも、うのみにしないということが大事です。それから、拡散することは自分も加担していることだと理解しないといけません」
(ピノコ)