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1942(昭和17)年。ラジオは、連日のように日本軍の戦果を伝えている。一方で、市民は衣類も自由に買えないようになっていた。
3月、雉真家では、次男・勇(村上虹郎)が大学進学のために東京へ。入れ替わりに、大学が春休みになった長男・稔(松村北斗)が帰省してくる。
軍に納入する軍服の生産が追い付かない雉真繊維。社長の千吉(段田安則)は、工場を拡大する計画を立てる。資金は大東亜銀行が無利子・無担保で用立ててくれるというが、その条件は稔が頭取の娘と結婚することだ。
それを知った稔は、父・千吉に「心に決めた人がいる」と、橘安子(上白石萌音)のことを告げる。千吉は相手が小さな菓子店の娘と知り、「頭を冷やせ」と突き放す。
翌日、雉真家の女中から電話で注文を受けた安子。稔と会えると思い、心をときめかせる。
しかし、現れたのは、稔の母・美都里(YOU)だった。美都里は、安子にお金を押し付けると、「2度と稔に近づかないで」と冷たく言い放った。
その次の日。いきさつを知った稔は激怒。美都里に詰め寄った。それを見た千吉は、「家を出て『たちばな』の婿になれるのか」と問う。
夕方、「たちばな」を訪れた稔は、安子に「待っていてほしい」と訴える。しかし安子は「最初から間違っていた」と言うと、その場から去る。
6月。兄の算太(濱田岳)に召集令状が届き、算太は入隊のため、岡山に帰ってくる。母・小しず(西田尚美)は、涙をぬぐいながら、算太のために弁当をこしらえる。
縮小していく「たちばな」とは対照的に、雉真繊維は景気が良い。銀行の融資の前提が稔と頭取の娘との結婚だと知った勇は、稔に殴りかかる。
1943(昭和18)年9月。戦況が悪化する中、稔の出征が決まった。
出征までに縁談をまとめようとする千吉に、勇は「家のための結婚は自分がするから、安子と稔の結婚を認めてほしい」と訴える。
そしてその日の夕方。「たちばな」で安子が店番をしていると、見慣れない客がやってくる――。