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今回とある年配のメイクさん(70歳代)に貴重な話を伺う機会があった。彼女は日本舞踊の師匠だったこともあり、教え子さんへ死化粧をされることが多々あると言う。
そんな彼女の話から人間として最後はどう逝くべきか、どうありたいかと言うことを考えさせられたので自分や残される身内のためにも、死際について皆さんが考える良いきっかけになってくれたらと思う。
今回は、埼玉県を中心に日本舞踊の先生であり、ヘアメイクや衣装を手掛ける70代のSさんに話を聞くことができた。おばあちゃんではあるが、本当に背筋も伸びていてパワフルな女性だ。彼女はコロナ禍で知人を数人亡くしたそうだが「自分が死化粧をする事に自信を持っている」と熱く語ってくれた。
死化粧とはそもそも故人に化粧を施し綺麗な姿でおくる為の物だ。事故や病気で大変な状態で亡くなるケースもあるが、おくる側として最低限の気持ちと言える。
知人や友人が白髪で顔もシワシワな最期を披露することに「本人の代理となって悔しい思いをしたこともある」と彼女ならではの話も非常に興味深かった。
彼女に言われたことで印象深かった一つに「まずはご遺族の意思」と言うこと。が、しかし、仮に自分が死んだ時「こんな顔で友達に見られたくない!」とか考えると、自分もしっかりしておかなければと思った。
ちなみに遺書に残して下さった方がいて、ご遺族からの電話で車をカッ飛ばして駆けつけたケースもあったと言う。
髪も付け毛で若々しく、死顔は化粧のおかげでとても綺麗に。ご主人だけでなくそこにいた遺族全員が涙を流して喜ばれたという。今では彼女の教え子は年下でも彼女に死化粧をお願いしたいとする人もいると言うのだから驚きだ。
故人が亡くなられてから納棺されるまでの間に行う。個人とご縁があった彼女だからこそ、最期の場に立ち合わせてもらえる。通常はそこまで綺麗には化粧してもらえないと思われる。
人間も生なので死体は時間が経過すると腐乱してくる為、短時間で処理する必要がある。また焼かれる迄に時間がかかる場合には薬や低温にすることで時間を稼ぐ。
病院で亡くなられた場合には死後措置の一環として看護師が行ったり、自宅で亡くなられた場合に遺族が行ったりするようだが、納棺師や葬儀社などに依頼して行ってもらうこともできるので無理して遺族がやらない方が良いだろう。
体を拭いて清潔にすることを「清拭」と呼ぶ。
死化粧とは別だが、全身の清拭を行う際には、体液の漏出を防ぐため「綿詰め」を行うことがある。
綿詰めは、肛門や鼻腔に脱脂綿を詰める行為で、以前は慣習的に行われていたが、最近はこれが体液の漏出防止になる根拠がないとされており、行われないことも多くなっているそうだ。私の祖父が亡くなった時も鼻の穴に綿が詰まっていたが、肛門にも入ってたのか?とか考えると想像で自分もお尻がキュッとなる。
そして日本の多くが白装束に着替えさせられおくられる。和装の場合、亡くなった方の着付けは襟が「左前」で着用。着付けを学んだ方だったら常識だが、理解せずに着物を着ると恥ずかしいので気を付けたい。
コロナ禍で不謹慎ではあるが、感染症対策として遺族とも会えずに悲しいお別れをされている方も非常に多いのではと想像してしまう。
女性だけでなく男性も美や健康に気を使っている時代だ。人生一番最後の晴れ舞台とも言える自分の葬儀で、今まで隠してきた素顔を見られるのは悲しすぎる。
人は死んだら唯の肉の塊である。が、せめて最後の姿はどんなに年老いていてもキレイな姿を見てもらいたいと願う人も多いだろう。そんな瞬間がいつ来ても慌てないためにも、しっかり希望は出して最期を迎えられらと思う。
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Source:いい葬儀