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縦×横が32×23(㎝)というのがこの本の大きさです。たくさん並ぶ書籍の中で妙に存在感があり、思わず手に取って表紙を開いてしまいました。「しかけ絵本の基礎知識 ポップアップ」と表紙に書かれているその言葉は本当でした。しかけ絵本が好きな人、しかけ絵本の作り方を知りたいという人にとっては、ページを進めるのが楽しくて仕方がなくなってしまいそうな本でした。
表紙を開くと、パッと目に飛び込んでくるのがこの仕掛けです。ページを開くとこの白い物体が徐々に開いて、最後にはドーンとページの真ん中に居座ってしまいました。「なんてすごいページなんだろう。一体どんなしかけを使っているのだろう。」と思うばかりでした。
ページの左側には、著者であるデビット・A・カーターさんとジェームズ・ダイアズさんの、この本に込めた気持ちが書かれています。これを読むと、簡単なものでもよいから作って見たいと思ってしまうかもしれません。
次のページからは下のようになっています。平行折りポップアップやななめ折りポップアップの作り方、円盤の作り方などが説明されています。下の2ページでは、音の出るしかけ、とびだすコイルの作り方などが詳しく説明されています。でも文章を読むだけで理解するのは大変です。実はこの本の楽しさは、仕掛けの説明方法にありました。
左側には音の出るしかけの仕組みが説明されています。右側を見て下さい。なんだか紙が浮き上がっているように見えます。紙をめくることができそうです。早速めくってみましょう。
紙をめくると、中からは、のこぎりの歯が顔を出してきます。のこぎりの歯が顔を出すときに音も出てきます。こんな風に実物を見せてくれるとワクワクしてきます。実際に作らなくても、音が出てくるのを聞くだけで楽しくなります。
180°とびだすコイルの説明を読むだけで、「えっ、どんな仕掛け?」と思いませんか。いてもたってもいられません。紙をめくりますよ!
紙をめくると、とびだすコイルの仕掛けが現れました。このような仕掛けならば作れそうな気がしてきませんか。
模様が動く円盤です。左側に見える波型のダイヤルを回すと、中に描かれている模様が動きます。ダイヤルを回してみますよ。
ダイヤルを回すと、模様が変わりました。実際にダイヤルを回すと模様がどんどん動きます。なんだか難しそうな仕掛けのように思えますが、実際のところはどうなんでしょう。右下に見える白い紙を取ると、仕掛けを見ることができるようになっています。とにかく仕掛けを見てみましょう。
模様が動く仕掛けはこんな風に作られていました。
この本はどのページを見ても、紙をめくると仕掛けが顔を出してきます。表紙を開いたときに出てきたポップアートは、それらの仕掛けを組み合わせて作られています。すぐに作ることは難しいと思いますが、いつかは作ることができるようになるのではないでしょうか。
書籍名:しかけ絵本の基礎知識 ポップアップ
定価:3900円+税
著者:デビット・A・カーター、ジェームズ・ダイアズ
出版社:大日本絵画
出版元URL:http://www.kaiga.co.jp/products/detail.php?product_id=6498
「しかけ絵本の基礎知識」という書名は、なんだか参考書を想像させてしまいますが、実際に読んでみると絵本のようにさえ感じてしまいます。大人になっても絵本は楽しいものです。衝撃の事実が判明する不思議な絵本「ルージュベックのだいぼうけん」がすごい! という絵本も楽しかったです。