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なぜ、真摯な企業が、ここまで痛めつけられる必要があるのか?大戸屋を取材していると、ほんとうに辛くなる。危機管理の専門家も、一連のバイトテロが起きてからの大戸屋の対応を絶賛している。だからこそ、バイトテロの他の企業に比較して、炎上せずに済んだ。
最初の案件が起きてから、大戸屋をずっと取材しているが、対応が確かに見事だ。ほぼ全てのバイトテロを取材して来たからこそ、言える大戸屋の真実。この真実を伝え続ける義務が、筆者にはある。
大戸屋 きょう店舗一斉休業し従業員研修 https://t.co/5XkJ0F7XDN #日テレNEWS24 #ntv
— NTV NEWS24 (@news24ntv) March 12, 2019
約1億の損失が出ると言われていた一斉休業。しかし、大戸屋の姿勢は、揺るがなかった。詳細を取材した。
朝9時に従業員がそれぞれの店舗に集合。10時から研修開始。会社トップからのメッセージを店長が代読。SNSの正しい使い方などの講習。そして、店舗スタッフ全員で服務規定の読み合わせを行った。その後に、4~5人でグループディスカッション。このディスカッションには、本社スタッフも各店舗に赴き、この討論に加わった。
このメインテーマは、「明日から、従業員それぞれ一人ひとりに、何が出来るか?」。各従業員のこころを一つにする意味が込められていた。そして、店舗では白熱した議論が展開された。そしてその後、A4の誓約書に午前の部出席の従業員全員が記名した。そこには、「店内での禁止事項。そして店外での禁止事項。」職場への携帯端末の持ち込み禁止なども明文化されていた。
そして12時から店内、店外の清掃活動。14時半から17時半まで明日の仕込み。18時からは、授業などで昼間都合が付かなかった従業員が集合。この研修は、各店舗21時過ぎまで続いた。
大戸屋コーポレートブランド室担当者は、「従業員の気持ちを一旦リセットする意味でも、この研修は必要だった。起きたことをしっかりと反省し、二度とこのようなことが起きないように、全社員一丸となって信頼回復に向けて、こころ一つにして明日に向かって行きたい」。こう取材に答えた。
「バイトテロ」の名付け親が、秒刊サンデー編集部。今、ウキペディアで、バイトテロと検索すると、この事実とバイトテロまとめ記事が記載されている。この責任としても、この一連のほぼ全ての出来事を追って来た。各社対応が違った。問題を起こしたにも関わらず「ほんと頼みますよ!」と取材が終了する直前に、こんなのんきなことを言って来た某企業広報担当者が居た。
しかし、真実を書くのが、記者の役割。そんなことを言われようとも、書く。しかし、大戸屋のコーポレートブランド室は、違った。対応も早く、丁寧だった。事実も包み隠さず伝えてくれた。今回の取材終了の際にも、「どうぞ、想ったことを全て書いて下さい。今後とも、ご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い致します。」ということばを掛けられた。
多くの取材経験からも、このような対応の企業は、なかなか無い。これからは、大戸屋が信頼回復する姿を、取材しながら、ランチを大戸屋でして、しっかりと応援をして行こうと、こころから思った。
掲載写真 写真AC