image:ニードル工房こまい(@komai_staff)

羊毛フェルトは羊毛を特殊な針でつつき、繊維を絡めながら成形できる手芸の一種です。近年、ハンドメイドでも人気の素材の一つでもあります。そんな羊毛フェルトですが、Twitterにて、ニードル工房こまい(@komai_staff)さんがご投稿した「羊毛フェルトで出来た食べ物」が注目を集めています。それはリアルさも表現されているのですが、羊毛フェルトならではのほっこりとした温かい雰囲気と可愛らしさもあり、秀逸な作品ばかりなのです。

羊毛フェルト作品に目が釘付け!

「#怒らないから正直にどんな作品を作って欲しいか言ってごらんなさい」というハッシュタグが付いた、羊毛フェルト作品のツイートを発見しました!焼き鮭の美味しそうな焼き目、ご飯茶碗の中のご飯粒、ベーコンと目玉焼きが乗ったトーストなどどれを見ても食欲が掻き立てられるほど、リアルで美味しそうな作品の数々ですね。

ツイートのリプ欄には「どれも美味しそう」「こまいさんのバームクーヘンが見て見たいです。チョコがけのやつ」「二郎系ラーメン」など、次に制作して欲しい作品のリクエストが多数寄せられ、熱視線を集めています。

制作者さんインタビュー

image:ニードル工房こまい(@komai_staff)

制作者のニードル工房こまい(@komai_staff)さんにお話を伺いました。

■プロフィールを教えてください

ーー羊毛フェルトで食べ物をモチーフに『羊毛惣菜』と題して、野菜・魚・肉・和洋中と様々な食べ物を制作しており、現在は委託販売を中心にイベント参加での作品販売も行っています。

■羊毛フェルト制作を始められたきっかけと制作歴を教えてください

ーー今年で11年目を迎えます。元々子供の頃から工作をするのが好きで、100円ショップの羊毛キットをキッカケに、羊毛フェルトでの制作を始めました。

■作品作りの際、特にこだわられている点は?

ーー野菜やお肉・魚など素材をモチーフとした物を作る際は、デフォルメとリアルの間ぐらいのデザインで作るようにしています。料理系は本物と同じ工程で作ると、より美味しそうに作れるので、極力実際の調理工程通りに作るようにしていたり、色味は全体的にリアルよりもデフォルメ寄りの色で目でも楽しめるように心がけています。

■使用している材料は何ですか?

ーー羊毛フェルトと呼ばれる羊の毛を綿状にしたもので、染色された羊毛は色の出方が毛の太さによって変わるので、用途や加工法などに応じて使い分けています。道具はニードルという針先に溝の付いたものを使い、一般的にニードルフェルトと呼ばれる加工法で、綿状の羊毛フェルトをニードルで、刺し固めることによって成形したり色付けを行っています。

制作で難しいところは、光沢感や透明感を出しにくいのでグラデーションだけで表現する点や、細くしたり、角を作ったり尖らせる時ですね。 細かい表現が必要な作品場合、羊毛が埋まってしまいはっきりとした線が上手く出せなかったり、毛の細さによってグラデーションがつけにくかったりするので、よりリアルに表現出来るように日々試行錯誤しています。

image:ニードル工房こまい(@komai_staff)

■制作時間はどれくらいかかりますか?

ーー大きさや固さ、表現の細かさによっても変わりますが、シンプルな物でも1個あたり1~2時間はかかります。ちなみに自分の代表作の焼き鮭(※記事内のトップ画像)ですと、大体1つあたり5〜7時間かけて制作しています。個人的に焼き目や焦げの表現を得意としているので、モチーフよって微妙に違う色味やグラデーションを楽しんでいただけると幸いです。

image:ニードル工房こまい(@komai_staff)

■今まで何作品くらい制作してこられたのかと、思い入れのある作品などありますか?

ーー正確な数は把握しきれていませんが、数百種類2,000個以上は制作していると思います。中には1度しか作ったことのない作品も多々あるので、久々に同じ物を作ろうとしても色味や形が、その時の混色の配色や力加減によって全然変わってくるのも羊毛フェルトの魅力の1つです。

肉類の作品は特にこだわっているものが多いジャンルで、中でも唐揚げを作った際に実際の調理工程を再現する為に、生のもも肉から作って切り分けて、衣を付けて表現したのはマニアックですが、未だにとても印象に残っていますね。

焼き鮭をはじめとしたお惣菜をモチーフとした作品は、基本的に自分の好物または食べたことのある物を中心に制作することが多いのですが、他にもリクエストをいただいたり、料理本や飲食店のメニューからヒントを得て制作しています。

骨や鮭皮のみの作品など他ではあまり見ないようなものなどは、他で見ないからこそ作ってみようという好奇心と、それを見た方々がどんな反応をするのか見てみたいという思いから、日々食べ物とにらめっこしながら制作しています。

image:ニードル工房こまい(@komai_staff)

■いいねやRTなどの反響にたいしての心境は?

ーーTwitterで画像を投稿した際に数多くの方に目に留めていただいたり、反応をいただけることで日々の制作活動の力にさせていただいている事が多いので、少しでも自分の作品を見てクスッと笑ったり、それをキッカケに笑顔になっていただけたら嬉しいです。

■今後の夢、制作されたい作品は?

ーー将来どんな形でも良いので、昔ながらの商店街にありそうなお惣菜屋さんのように店先にお惣菜用のショーケースを置いて、その中に自分の制作した羊毛惣菜を並べてみたいなと考えています。まだまだ表現出来ていない料理や食材が多々あるのですが、いつもは大体調理済みの作品を制作しているので、料理番組のように調理工程ごとに変化した食べ物の違いを細く表現した作品で動画を撮影したり、自分自身も自分の作品を見た方も楽しめる作品制作を今後も目指していきたいと思います。

こまいさん、お忙しい中、羊毛フェルトの制作の裏側を垣間見れる素敵なお話をしていただきありがとうございました。

今後もこまいさんのオリジナリティーとユーモア溢れる素晴らしい作品を、これからもお目にかかれるのを楽しみにしております。

羊毛フェルト特有のもふもふ感も魅力的ですが、ハムスターの丸っこいフォルムも可愛くて癒されますよ!

取材協力:ニードル工房こまい(@komai_staff)

情報提供元: 秒刊SUNDAY
記事名:「 リアルで可愛い「羊毛フェルトで出来た食べ物」が秀逸!制作秘話を聞いた