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武家屋敷といえば、城下町において武士が居住する住居と敷地、およびその居住区の総称。室町時代には寝殿造から書院造(しょいんづくり)という建築様式に変化していきました。書院造では畳の部屋が誕生したり、壁が出来て生活がしやすくなりました。そんな武家屋敷ですが、Twitterにて宗秀斎(@sousyuusai_ar)さんが室町時代の細川氏の武家屋敷のジオラマ作品をご投稿し、魅了される人が続出しています。今回は制作秘話を伺いました。
完成したばかりの洛中洛外図から立体化を試みた室町時代の武将細川氏の武家屋敷ジオラマを回転させてみる。 pic.twitter.com/WVU2ROiltJ
— 宗秀斎 (@sousyuusai_ar) September 24, 2022
室町時代の武将細川氏の武家屋敷のジオラマを制作したというツイートを発見しました!武家屋敷の1棟だけでもすごいのに、何棟も並んでいて、庭園も丁寧に制作されていて大作ですね。室町時代を感じられる世界観に何度もリピート再生し、見入ってしまいます。
ツイートのリプ欄には、室町時代の過去への思いを馳せ当時の出来事や様子を想像したり、作品の素晴らしい完成度に驚く声が寄せられ熱視線を集めています。
・素晴らしい!
・さすが管領。
・あの「天狗願望」が有った細川政元もこの屋敷に住んだのかな……と思うと、政元に逮捕・幽閉された足利義稙公が大好きな私としては大変複雑な気分になりますw」
制作者の宗秀斎(@sousyuusai_ar)さんにお話を伺いました。
■ プロフィールやジオラマ制作を始められたきっかけを教えてください。
模型製作歴は今年で6年目になります。主に現存する古建築から失われた建築物を模型・ジオラマで再現しています。
以前は暇さえあればイラストや絵画を描くことに没頭していましたが、他に何か作れるものはないかと考えた始めた時に小学生の頃、父が建築士だったこともあり家にはプレゼン用の建築模型が並んでいて、それを真似て紙で室内の間取りや壁紙を夢中に作っていたことを思い出しました。
歴史や寺院仏閣、城郭巡りが好きだったこともあり、あまり目にしたこのない想像して楽しめるような古建築模型を一度作ってみようと思ったのがきっかけでした。
■武将細川氏の武家屋敷ジオラマ作品の制作工程を簡単に教えてください。
参考となる絵図や資料を元に作図する作業から始まり、図面に照らし合わせて木材を使って加工・塗装・組立という大まかな流れになります。材料は檜が殆どですが、用途によってプラ板を併用することもあります。
特に建物の柱や屋根軒下の垂木といった箇所を数ミリの角材を使って加工する手作業が多いので最低でも80時間はかかりました。
■制作する際にこだわられた点、難しかったところを教えてください。
この作品のテーマは絵図から立体化し、リアル感ある姿を再現することでその場にいるかのように想像してもらえるジオラマを目指しました。柱や屋根、土塀など経年劣化した様を塗装で表現することで、よりリアルに見えるような工夫も拘りの一つでもあります。描かれていない箇所は想像しかないので考察しながら形にすることの難しさはありました。
■いいねやRTされるなど反響がありますが、今の心境は?
コアな題材にも関わらず、関心をお持ち頂けたことに制作意義を感じました。当時の風景を楽しんでもらえたことが何よりも嬉しく今後の制作意欲の励みとなります。 日本の古建築とその風景の美しさを知るキッカケの一つになれば嬉しいですね。
■今後の夢や、制作されたい作品があれば教えてください。
おかげさまで制作のご依頼を受けたり歴史ドラマや雑誌に掲載して頂けるようになりました。今後もその風景が懐かしく思えるような立体写真のように、メモリアル模型として日本の良き風景を感じてもらいたいという一心で、皆様に楽しんで頂けるようなジオラマを目指したいと思っています。
宗秀斎さんお忙しい中、ジオラマの興味深いお話をしていただきありがとうございました。
宗秀斎さんから「現物を見てみたいというお言葉を頂くことも多々あり年に一度だけ国内最大級の展示会へ出展していますが、今後の目標として展示する機会を増やしていきたいと思っています。」というメッセージをいただきました。 これだけ素晴らしい大作はなかなか出会えないので、宗秀斎さんの夢が実現して、ぜひともお目にかかりたいですね。
アートといえば、粘土で作られた美味しそうなすき焼きにも驚愕しますよ。
取材協力:宗秀斎(@sousyuusai_ar)