5個のパーツを無造作に置きました。この5個のパーツを組み合わせて正方形を作って下さい。小さい正方形が1個ありますが、これ1個で正方形ができたと考えてはいけません。すべてのパーツを使って1個の正方形を作って下さい。それぞれのパーツはどのように移動しても構いませんが裏返しにしてはいけません。図形のとらえ方によって、難しくなったり易しくなったりする問題です。

5個のパーツにアルファベットで名前を付けておきましょう。こうしておくと、どのパーツをどこに移動したかがわかります。でもこれだけではわかりにくいですね。5個のパーツを組み合わせてできる正方形の大きさがわかると考えやすいかもしれません。


5個のパーツを組み合わせて出来上がるのは、グレーの大きさの正方形です。ここで、正方形の性質を確認しておきましょう。正方形というのは、4つの辺の長さが等しく、4つの角の大きさが直角(90°)である四角形でした。


5個のパーツの中には、直角の角が8個あります。上の図で、グレーの〇印を付けた部分です。これらの直角をそのまま利用できるでしょうか。それとも他の角を組み合わせて直角を作るのでしょうか。


ここで、a、b、c、dの4個のパーツについて確認をしておきましょう。これら4個は合同(重ねるとぴったりと重なる図形)になっています。これら合同な4個のパーツの中にある直角を利用して正方形を作ることはできないでしょうか。


aを少しだけずらしてdに近づけると上の図のようになります。なんだかうまく正方形を作ることができそうです。


ー答えです。

5個のパーツを下のように並べると正方形ができます。4つの辺の長さが等しく、4つの角の大きさも等しくなっています。
a、b、c、dの4個のパーツは合同ですから、それぞれの場所が異なっていても同じ答えとして考えることができます。


問題を見たときに、この並べ方がすぐにイメージできた人がいる一方で、全くイメージできなかった人もいるのではないでしょうか。その違いは、5個のパーツの中の”e”というパーツのとらえ方の違いとも言えます。最初の段階で”e”という正方形を見たときに、この置かれ方が頭の中に残ってしまうと、回転させて移動するという発想が出てきづらくなってしまいます。

すぐに答えを出せないように、”e”という正方形をごく一般的な向きで配置しました。しかし、日常的に固定観念にとらわれない考え方ができる人は、回転させて移動するという動きは特別なことではないので、この問題をいとも簡単に解くことができるというわけです。この問題、あなたには易しかったでしょうか、それとも難しかったでしょうか。

いくつかのパーツを並べて図形を作るという問題は、易しそうに見えて実は難しかったりするのですが、4枚のカードを組み合わせて正三角形を作る という問題はいかがだったでしょうか。
情報提供元: 秒刊SUNDAY
記事名:「 5個のパーツをすべて使って正方形を作れ!最初に着目するパーツが鍵!