市松模様の中に7本の線を引いてみました。市松模様といえば白色と黒色をイメージしてしまいますが、今回は紫色とグレーにしてみました。そういえば、2020年の東京オリンピックのロゴマークにも市松模様が使われていましたね。さて、7本の線のうち、Aは直線です。BからGまでの線の中から、Aと平行になっている直線を見つけ出してください。



「簡単だ!もう見つけたぞ!」とい人がいるかもしれません。あなたの選んだ線は、本当に直線Aと平行ですか。この図では、直線Aと平行な直線を簡単には見つけ出せないような工夫をしています。その工夫に惑わされることなく、平行な直線を見つけるの簡単ではないかもしれません。





このままで平行な直線を見つけ出すのは大変かもしれません。試しに、市松模様を作っているパーツをいくつか取り去ってみましょう。もしかしたらわかりやすくなるかも知れません。



どうでしょう?平行な直線を見つけることができましたか。「見つけたぞ、この線だ。」と思った瞬間に、平行ではないように見えてきませんか。ですから、落ち着いてじっくりと図を見てください。




もう少し市松模様をくずしてみましょう。



まだ、直線Aと平行に見えたり違って見えたりしますか。でも、かなりわかりやすくなってきたのではないでしょうか。さらに市松模様をくずすと、はっきりとわかるかもしれません。





そろそろ直線Aと平行な直線を見つけ出した人が大勢になってきているのではないでしょうか。見つけ出すことができた人はその線を、まだちょっと自信がないという人は、これかな?と思う線を決めてください。



「この線が平行な直線だ!」と、決めることができましたか。では、答えをお見せしましょう。市松模様を作っているパーツをすべて取り去ってみましょう。









-答えです

BからGまでの6本の線はすべて直線です。しかも、すべてが、直線Aと平行な直線です。




-種明かしをしましょう

実は最初に示した図は、カフェオール錯視という名前の錯視図形なのです。カフェウォール錯視では、平行線が斜めに見えます。A、B、C、D、E、F、Gという7本の直線の間に、紫とグレーで囲まれた長方形が書かれています。これらの長方形が縦に整列しているときには、錯覚は起きません。縦に整列しないように少しずつずらして描かれています。

脳ミソはものを見る時に、そのものの色から明るさの情報を受け取ります。脳ミソは紫とグレーという2種類の長方形から異なる情報を受け取ることになりますが、2種類の長方形は不規則に並んでいるために、情報も不規則に伝わってきます。

そのため脳ミソはその情報を受け取るときに混乱してしまい、本来は直線であるにも関わらず直線には見えなくなってしまいます。


(秒刊サンデー:わらびもち)
情報提供元: 秒刊SUNDAY
記事名:「 直線Aと平行な直線を見つけ出せ!君の目はどのくらい正確にものを見ている?